セル着色グループの解説
- yuji fukami
- 10月23日
- 読了時間: 4分
概要
書籍「Excel VBA開発を超効率化するプログラミングテクニック」の特典であるIkiKaiso2.xlamのリボン登録マクロの解説のための特設ページです。
出版社の書籍のページ⇒https://gihyo.jp/book/2024/978-4-297-14023-6
リボン登録マクロ全体解説ページ⇒https://www.softex-celware.com/post/ikikaiso2
本ページではIkiKaiso2.xlamの「セル着色」グループの解説をします。

解説
用途
選択セルに着色ルールに基づいた塗潰色を設定する。
「赤太字」で特定のセルを赤いフォント色で太字の状態にして強調する
使い方
実際に使っている様子の動画を下記でご確認ください。
動画ではサンプルとしてBMI健康管理シートというものをベースにしております。あくまで本記事用のサンプルとして構築としては詰めが甘いところが沢山ありますが、その点は目をつぶってください。
着色ルールの説明
「セル着色」グループは筆者がExcelシートの構築の際に共通して設定している着色ルールをすぐに設定できるような目的で実装したものです。
着色ルールは基本的に4色で構成されていて、
■薄い黄色:何かしらの値を入力するところ。ユーザーは「ここに値を入力するんだな?」というのがすぐ分かるようにする。
■薄い緑色:数式が入っているセル。ユーザーは「ここは数式が入っているから変更したらダメだんだな」というのがすぐ分かるようにする。
■水色:別シートから値を参照しているセル。ユーザーは「ここのセルは別のシートから値を参照しているから、別シートの値が影響しているんだな」というのが分かるようにする。
■薄い赤:マクロ等の処理によって値が出力されるセル。ユーザーは「ここはマクロ操作で値が出力されるセルだから、ボタンクリック等の操作で値が変わるんだな」というのが分かるようにする。
これらのうち頻繁に利用するのが「■薄い黄色(値入力)」と「■薄い緑色(数式)」でその次に利用するのが「■水色(外部参照)」であり、「■薄い赤(マクロ出力)」は滅多に利用しないぐらいです。
これらの着色ルールをしっかり定めておくことで、ユーザー側に「ここに入力」「ここはいじっちゃダメ」というのがすぐに伝わるようになります。さらに開発者、編集者にとってもシート内の構造がすぐ把握できるので、編集作業に取り掛かりやすいなどのメリットもあります。
ちなみにこの着色ルールですがExcelのカラーパレットにおいて「赤系」「黄色系」「青系」「緑系」のそれぞれ最も薄い色を利用しています。いつでも「このカラーパレットのこの位置」というのが定まっているので、リボン登録マクロの「セル着色」グループを利用せずともいつでも設定できるようにしてあります。

このカラーパレットは「Office 2013 - 2022」のテーマカラーをもとにしています。Excelの設定状況ではこのカラーパレットが出てこない場合は、下記の様に「ページレイアウト」タブ→「配色」の中で表示される一覧のテーマカラーから「Office 2013 - 2022」を選択してみてください。

着色ルールのデザイン根拠
この4色の着色ルールを採用している根拠を説明します。
デザインの大きな要素として「4色のみ」「薄めの色」としており、それぞれの根拠は次の通りです。
「4色のみ」の根拠
これは単純に余りルールを細分化すると人が覚えにくいからです。逆に少ない色の違いであれば人間はすぐに識別できるようになります。
実際は上記でも書いているようにメインに使用するのは「薄い赤(マクロ出力)」を除いた2,3色のみですが、この程度の着色で十分識別が出来るようになります。
「薄めの色」の根拠
逆に濃いめの色にすると次のようなデメリットが生じます。
長時間作業で目が疲れやすくなる
情報量が多いシートでは色が主張しすぎてノイズになる
印刷時にコントラストが強すぎ、可読性が低下する
これに対して薄めの色だと次のようなメリットがあります。
背景とのコントラストが柔らかく、見た目がすっきり整う
長時間の利用でも目の負担が少ない
他のデザイン要素(罫線やボタン)と調和しやすい
実際にサンプルのBMI健康管理シートで「濃いめの色」「薄めの色」で比較してみます。
「濃いめの色」ルールだと色の主張が激しく、長く見てると疲れてきます。
「薄めの色」ルールだと色の主張は控えめで、見てても疲れません。

以上が薄めの色を採用している理由となります。



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