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【開発事例】 CDPスコアリング自動化ツールの構築

更新日:6月21日

※掲載している内容・資料は、実際の案件に基づきつつ、個人・企業が特定できないよう内容を一部加工・再構成したものです。守秘義務に配慮し、実際の顧客情報等は一切含まれておりません。 背景と目的

CDP(Carbon Disclosure Project)は、企業の温室効果ガス排出量や環境に対する取り組みについて、国際的な情報開示の枠組みを提供する評価機関です。企業がこのCDPのスコアリングで高得点を得ることは、投資家や取引先からの評価にも直結するため、多くの企業がその回答に注力しています。


今回ご依頼いただいたのは、あるコンサルティング会社様から。彼らはCDPに関心をもつ企業に代わり、回答フォーム(Excel)を用いてスコアリング対策を支援しています。しかし、実際の採点基準は公式サイトに記載された膨大な文章形式のルールに基づいており、その読解と採点作業には毎年非常に多くの時間と労力がかかっていました。



CDPスコアリング自動化ツールの構築


課題点


  • CDPの採点設問は1.1から3.1.2までの全14設問、合計約700項目以上に及び、各設問ごとに細かい条件と評価基準が設定されている

  • 評価基準は文章で定義されており、人手で読み解いて採点する必要があった

  • 各設問のルート(A/B/C)や、スコア上限、条件分岐の判定が複雑

  • 回答内容の書式やキーワードもスコアに影響し、機械的な集計が困難だった

  • そのため、これまではすべて手作業での採点が必要で、1社分の評価に数日〜1週間以上を要することもあり、担当者の大きな負担となっていた



開発内容


依頼主の目的は、CDPの回答フォーマット(Excel形式)に入力された内容に対して、採点作業をできるだけ自動化・効率化することでした。


1. 採点ルールの構造化

  • 公式CDP資料をもとに、全設問(約700項目)の採点基準、満点条件、分岐ロジックを表形式に整理

  • テキストベースの条件文(例:「気候変動に関する設問が8行以上」)を定量的なルールとして記述

  • 画像で提供された採点基準・評価表を解析し、ルールエンジンとして実装


2. 自動採点ロジックの構築(VBAベース)


  • 回答Excelから各行の入力内容を読み取り、スコアリング対象となる設問を識別

  • 条件分岐("である"、"でない"、"未入力"など)を判断し、正しく点数を割り当て

  • 例外パターン(未公開、対象外など)にも対応

  • 点数の最大値チェックや、ルート条件(A/B/C)に基づく分岐処理を実装

  • 全14設問・約700項目すべてに対応する、包括的な採点自動化処理を開発

3. ユーザビリティの強化

  • スコアリング結果を別シートに一覧表示。どの設問で何点獲得したかを明示

  • 条件不備や未記入がある場合はアラート表示し、再入力を促す構成に

CDPスコアリング自動化ツールの構築

成果と効果


  • 人手で数日かかっていた採点作業が、わずか数十秒で完了するように

  • 採点の精度と一貫性が向上し、チェック漏れや採点ミスがゼロに

  • 回答内容をもとに、自動でルートA/Bの選択や得点条件を導き出せるため、CDP対策の品質も向上

  • 特に評価項目が膨大で複雑なCDPにおいて、人力では非現実的だった全設問の採点が、現実的かつ迅速に処理可能に


今後の展望

  • 他の設問バージョン(3.1.2など)にも対応したマルチテンプレート化

  • Web化・クラウド対応による複数企業同時採点の並列処理

  • ChatGPT APIなどを用いた自然文→採点ロジック変換ツールとの統合



対象顧客層

  • CDP支援を行うコンサルティング会社

  • 自社でCDP回答を作成・管理しているサステナビリティ部門

  • ESG対応においてスコアリングの自動化・効率化を図りたい大手企業

CDPに限らず、複雑な評価基準に基づくフォーム採点や点数計算をExcelベースで効率化したい場合は、ぜひご相談ください。ルールの構造化から自動計算ロジックの設計まで、一括で対応いたします。

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