【開発事例】楽天市場の経費管理を自動化する粗利・限界利益集計ツール
- yuji fukami
- 6月9日
- 読了時間: 4分
更新日:6月21日
※掲載している内容・資料は、実際の案件に基づきつつ、個人・企業が特定できないよう内容を一部加工・再構成したものです。守秘義務に配慮し、実際の顧客情報等は一切含まれておりません。 なぜこのツールが必要なのか?
「売上はあるのに、手元にお金が残らない」
「経費が多すぎて利益が見えない」
楽天市場などのECモールで日々の運営を行っている中で、このようなお悩みを感じたことはありませんか?
本ツールは、そんな課題を抱える事業者様の声をもとに開発されました。
RMSから出力される受注CSVと請求CSVを読み込み、限界利益・営業利益を自動算出。月別に可視化し、利益構造を“見える化”することができます。
Excel VBAで構築されたシンプルな仕組みながら、拡張性と実務性を兼ね備えたツールです。
このような方におすすめ
楽天市場をはじめとするモール型ECを運営している事業者様
商品ごとの収益性を把握し、改善につなげたい経営者・実務担当者
Excel上で売上・経費・利益を一元管理したい方
機能の全体像と処理フロー
まずは、以下の図をご覧ください。本ツールの全体処理の流れをまとめています。

① 受注CSV・請求CSVの読込
楽天RMSから出力される「受注CSV(売上)」と「請求・経費CSV」をExcelから簡単に読み込みます。
受注CSV:商品コード、販売数量、売価、注文日 など
請求CSV:経費項目、金額、対象期間 など

この画面では、ファイルを選択するだけでデータが読込まれ、売上CSVの日付から対象年月も自動判定されます。
② 商品別情報の突合と粗利計算
別途用意された商品マスターと紐付けて、以下の要素を元に商品単位で粗利を計算:
原価
送料
手数料
包装材費

このシートでは商品別に売上・粗利・粗利率などが集計され、売上や粗利の上位商品には自動的に色付けされます。また、右側には固定費・変動費をもとに計算された限界利益や営業利益が月別に表示され、ひと目で利益構造が把握できます。
③ 限界利益・営業利益の算出
限界利益 = 売上総利益 − 変動費
営業利益 = 限界利益 − 固定費
④ 月別の利益推移比較・可視化

月ごとの売上・限界利益・営業利益を横並びで比較
数か月単位の改善効果や費用構造の変化も一目で把握可能
特徴と導入メリット
✅ クリックだけで集計完了CSVファイルの選択で自動処理。手作業を最小限に抑えます。
✅ 商品数・経費項目の増加にも柔軟対応設定シートで追加可能。システム変更なしで拡張できます。
✅ 前払い経費の按分にも対応半年分の出店料なども期間に応じて自動分配処理が可能です。
✅ Excel完結で学習コストゼロ現場のオペレーターでもすぐに使えるUIで、導入後すぐに稼働可能。
おわりに:利益構造を“見える化”するツールで、経営の意思決定を加速
本ツールは「現場目線」で生まれた実践型の経営支援ツールです。売上、原価、経費を1つのファイルで一元管理でき、経営判断のスピードが格段にアップします。
「どの商品が利益を生んでいるのか」「どの経費が収益を圧迫しているのか」その答えを、Excelの中で“見える化”してみませんか?
開発者からの補足:分野知識がなくても業務要件を正確に形にします
今回の開発にあたって、私は経理分野の専門家ではありませんでした。ですが、クライアント様との丁寧なヒアリングを通じて、
どのような経費項目があるのか
どのように按分や集計が行われているのか
どの数値を重視して経営判断しているのかといったポイントを一つひとつ明確にしながら、仕様の策定と実装を進めました。
その結果、経理の現場経験がなくても、実務で必要とされるアウトプットを高い精度で再現することができました。
業種や業務内容に関する専門知識がない分野でも、しっかりとしたヒアリングと要件整理に基づいて開発を行うことで、お客様にとって実用的なツールをご提供できます。
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